ジェンダー・バイアスとは?
ジェンダー・バイアスとは、男女の性差や役割について固定的な思い込みや偏見を持つことです。
例えば、
昔言われていた「男は稼いで、女は家庭を守る」は、典型的なジェンダー・バイアスです。
この例は現代においては多く方が違和感を覚えるような考え方かもしれません。
しかし、普段から口に出していることの中にも、ジェンダー・バイアスが隠れている可能性があります。
これもジェンダー・バイアス?
● 男の子なんだから泣くんじゃないの!
● BBQでの料理は女性にお願いしよう!
● 女性の管理職なんて珍しいですね。
● 男性なのに育児休業取得するのですか!?
これらは、いいか悪いか、不快に感じるか感じないかは別として、「性別による思い込み」、つまりジェンダー・バイアス的な考え方からくる発言と言えるでしょう。
受講したセミナーで…
先日、オンラインで受講した社労士向けのセミナーで講師の方が何度も言っていた言葉に少しだけ違和感を覚えたという出来事がありました。
「社労士事務所を開業し、初めに雇用するのはパートがいいか?社員がいいか?」
との問いかけがあり、一人の社労士の先生が
「男性の社員がいい」
とのご回答でした。
なぜわざわざ「社員」に男性と付けたのかがわからずにいましたが、そのあとのお話を聞いていたところ、理由があることはわかりました。
しかし正直あまりいい気分はしませんでした。
(その先生の意図した内容を的確に伝えられない可能性もあるため、ここではこの発言の理由の説明は割愛します。)
誰でもジェンダー・バイアスはある
このジェンダー・バイアス、男女かかわらず多くの人が無意識に口に出したり、考えたりしています。
こんなことをお伝えしている私でも、もちろんジェンダー・バイアスはあります。
むしろ多い方かもしれません。
ご覧いただいている皆さまでも、全くない!と言い切れる方は少ないのではないでしょうか。
でもこのジェンダー・バイアス、すべてが絶対ダメとは言い切れない部分もあると思います。
ただ、大事なのは他者を「個人」として理解し尊重するかどうか。
働く環境の上でも、「女だから」「男だから」ではなく、「個人」を理解し尊重して、機会・待遇・教育訓練・福利厚生などを考えていきたいですね。
まとめ
今回はちょっと法律から離れた話題をお話しました。
社労士は法律を扱う仕事ですが、それと同時に「人」を扱う仕事です。
なかなか奥深いですが、こういった「人の考え方」も加味しながら中小企業のサポートをしていきたいと思っています。
- 参考文献 「男女格差後進国」の衝撃 無意識のジェンダー・バイアスを克服する
著者:治部れんげ 氏
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