株式会社帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、2022年に人手不足を理由にした倒産は140件。なかでも、「従業員退職型」が全体の4割を超えるそうです。
昨今、求人採用に苦戦しているというお話をよく耳にしますので、入口が狭くなっているのに出口は大きくなっている状態ということですね。
確かにそれでは中にいる人はどんどん減っていってしまいます。
しかも倒産に至る会社も多くある…これは目を背けられない事実です。
では人手不足の状態の時、何から取り組めばいいか?
まずは求人採用しよう!となるのではないでしょうか?
でも、いい人が応募してこない、内定しても辞退された、そもそも応募が少ない(来ない)・・・
そこでどう対策するのか?
給与額を上げて、応募が来るように!選んでもらえるようにしよう!
いわゆる賃上げをご検討する企業さまも多いのではないでしょうか。
ただ、賃上げだけに頼ると後がきついと思うのです。
同業他社の相場より少し給与額を高くする
→他社も上げる
→自社も上げなきゃまた人が来なくなる
→他社も上げる
→・・・・
の無限の繰り返しになってしまう可能性が大きいのです。
もし緊急的に採用する必要があるのではなく、長いスパンで「人を採用しなきゃ!」とお考えの企業さまがいらしたら、「緊急」になるまで待たずに、まずは出口をできる限り狭くしていただきたいのです。
出口を狭くする方法は各企業によって違います。
今まで辞めていった社員さんは何が原因で辞めていったのか?
もし自社が何かしらの体制を整えられていたらどうなっていたのか?
今いる社員さんが望んでいること・自社に改善してほしいことは何なのか?
まずはそこを確認するところからスタートです。
育児・介護との両立に悩んでいる方がいるのだとしたら、「短時間正社員制度」や「テレワーク」を活用できたのかもしれませんし、業務を属人化しない仕組みが必要なのかもしれません。
また、もっと成長したい!もっと活躍したい!という若者離職者がいたのだとしたら、「人事評価制度」を運用して「成長予感」と「成長実感」を感じてもらう必要がありそうです。
残業時間が多くてプライベートの時間が取れない!との不満がある人がいたら、まずは業務の洗い出し、見直し、割り振り直し、標準化(マニュアル化)、パートさん・派遣さんの活用などの対策をとればよかったのかも。
いろいろと改善・改革方法がでてきます。
これらは出口を狭くする効果がありますが、実は入り口を広くする役割も果たします。
求人票に「育児との両立応援します!」「若い世代活躍中!」「残業少、ワークライフバランス重視!」などの文言にプラスして、実際の自社の取り組みや制度を根拠として記載できたら、求職者の方が自社で働くときのイメージがしやすくなります。
このイメージができて初めて応募先の候補に上がってくると思うのです。
「働き方改革なんて!」「中小にはそんな余裕はない!」と言うばかりではなく(おっしゃるお気持ちもわかるのですが、、!)、そしてこの人手不足の状況下で手遅れになる前に、一歩踏み出す必要がありそうですね。
参考:株式会社帝国データバンク「特別企画:人手不足に対する企業の動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230207.pdf
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